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2025-01-05 19:12:00

自閉スペクトラム症(ASD)

 

今日は自閉スペクトラム症についてです。

 

僕の周りではASDと呼ぶことが多いですかね。

 

 

 

自閉症スペクトラムと呼ばれることもあります。

 

主な特徴としては「対人関係の困難さ」と「こだわりの強さ」があります。

 

以前は「自閉症」と「アスペルガー症候群」に分けられていました。

 

現在では、その両方を持つケースがあるということと、症状が色々と変化をするということから、

 

 

 

DSM-5で「その両方を併せ持つ」という意味でこの名称になりました。

ちなみにDSM-5というのは、米国精神医学会が発行している

 



 

「精神疾患の診断・統計マニュアル」のことです。


 

精神疾患や発達障害はこれに基づいて診断されることが多いです(絶対ではない)。

 

スペクトラムとは「連続した」という意味です。自閉スペクトラムは自閉症と

 

アスペルガーの症状が境界なく、グラデーションのようなイメージから

 

この名称が使われているとされています。

 

 

 

今回はわかりやすいように自閉とアスペルガーに分けて特徴を説明しますね。

 

 

 

自閉の特徴

 

①対人関係の障害

 

 ・周囲と関わらない。

 

 ・視線を合わせられない。

 

 ・あやしても反応がない・乏しい。

 

②言葉の発達の障害

 

 ・初語が遅れる。

 

 ・オウム返しが見られる

 

③常同行動、執着行動

 

 ・手の平を目の前で繰り返しひらひらさせる(常同行動)

 

 ・道順や場所の変更を極端にいやがる(執着行動)

 

 ・回転するものを見ることに固執する(執着行動)

 

 
④知覚・感覚の障害

 

  ・聴覚、触覚、嗅覚過敏。ひどくなると耳をふさいだりする。

 

  ・触られるのを嫌がる。床に寝転がって感触を楽しんだりする。

 

 

 

発症率は1000人に1人以上で男女比は4:1と男性が多いとされています。

 

また知的な遅れを伴うケースもあります。

 

 

 

次にアスペルガーです。

 

・言語や認知的な発達障害はない(高知能の人が多い)が、興味や活動が極めて限定的。  
・相手の感情が読みづらいため、空気が読めない。   

 

・自閉との大きな違いは知的な遅れがないことと、同じことを繰り返す傾向があること。 
・気持ちを読むことが出来ないため、人間関係でトラブルを起こしやすい。

 

・ひとつのことに興味が集中し、それにこだわる。
・単調で抑揚のない喋り方をする。

 


アスペルガーは特定の分野で高い能力を発揮するため、社会的に評価される人もいます。

 

ここでは名前特には出しませんが、著名人も多くいます。

 

 

 

ASDはコミュニケーションに難しさを感じることが多いため、社会生活に適応することが

 

大変なので、周囲の人の支援やちょっとした配慮が必要な場合があります。

ではASDの人にどう関わればいいのでしょうか?

 

 

 

青木省三先生の著書「精神科治療の進め方」(日本評論社)にこう書かれています。

 

 

 

・あっさり、はっきり、簡潔に伝える。

 

・くどくならない。問い詰めない。

 

・早口で畳み掛けるように話さない。

 

・声が大きすぎないように、強すぎないように気を付ける。

 

・一度に提供する情報量を多くしない。

 

・複数の感情を混じらせない。

 

・曖昧な多義的な表現や態度をとらない。

 

・口頭のみではなく、紙に書いたり視覚化したりして、理解しやすく提供する。

 

 

 

療育の現場でもこれらのことは言われています。

 

僕の経験では視覚支援は効果があるというか、必須くらいのイメージです。

 

 

 

基本的にはシンプルにひとつずつチェックしていく感じですね。

 

 

 

念のために書きますが、これらは本人が努力していないとか、サボっているわけではなくて

 

本当に出来ないことなので、そこは理解してあげてくださいね。

 

 

 

次回はADHDについてです。