ブログ
自閉スペクトラム症(ASD)
今日は自閉スペクトラム症についてです。
僕の周りではASDと呼ぶことが多いですかね。
自閉症スペクトラムと呼ばれることもあります。
主な特徴としては「対人関係の困難さ」と「こだわりの強さ」があります。
以前は「自閉症」と「アスペルガー症候群」に分けられていました。
現在では、その両方を持つケースがあるということと、症状が色々と変化をするということから、
DSM-5で「その両方を併せ持つ」という意味でこの名称になりました。
ちなみにDSM-5というのは、米国精神医学会が発行している
「精神疾患の診断・統計マニュアル」のことです。
精神疾患や発達障害はこれに基づいて診断されることが多いです(絶対ではない)。
スペクトラムとは「連続した」という意味です。自閉スペクトラムは自閉症と
アスペルガーの症状が境界なく、グラデーションのようなイメージから
この名称が使われているとされています。
今回はわかりやすいように自閉とアスペルガーに分けて特徴を説明しますね。
自閉の特徴
①対人関係の障害
・周囲と関わらない。
・視線を合わせられない。
・あやしても反応がない・乏しい。
②言葉の発達の障害
・初語が遅れる。
・オウム返しが見られる
③常同行動、執着行動
・手の平を目の前で繰り返しひらひらさせる(常同行動)
・道順や場所の変更を極端にいやがる(執着行動)
・回転するものを見ることに固執する(執着行動)
④知覚・感覚の障害
・聴覚、触覚、嗅覚過敏。ひどくなると耳をふさいだりする。
・触られるのを嫌がる。床に寝転がって感触を楽しんだりする。
発症率は1000人に1人以上で男女比は4:1と男性が多いとされています。
また知的な遅れを伴うケースもあります。
次にアスペルガーです。
・言語や認知的な発達障害はない(高知能の人が多い)が、興味や活動が極めて限定的。
・相手の感情が読みづらいため、空気が読めない。
・自閉との大きな違いは知的な遅れがないことと、同じことを繰り返す傾向があること。
・気持ちを読むことが出来ないため、人間関係でトラブルを起こしやすい。
・ひとつのことに興味が集中し、それにこだわる。
・単調で抑揚のない喋り方をする。
アスペルガーは特定の分野で高い能力を発揮するため、社会的に評価される人もいます。
ここでは名前特には出しませんが、著名人も多くいます。
ASDはコミュニケーションに難しさを感じることが多いため、社会生活に適応することが
大変なので、周囲の人の支援やちょっとした配慮が必要な場合があります。
ではASDの人にどう関わればいいのでしょうか?
青木省三先生の著書「精神科治療の進め方」(日本評論社)にこう書かれています。
・あっさり、はっきり、簡潔に伝える。
・くどくならない。問い詰めない。
・早口で畳み掛けるように話さない。
・声が大きすぎないように、強すぎないように気を付ける。
・一度に提供する情報量を多くしない。
・複数の感情を混じらせない。
・曖昧な多義的な表現や態度をとらない。
・口頭のみではなく、紙に書いたり視覚化したりして、理解しやすく提供する。
療育の現場でもこれらのことは言われています。
僕の経験では視覚支援は効果があるというか、必須くらいのイメージです。
基本的にはシンプルにひとつずつチェックしていく感じですね。
念のために書きますが、これらは本人が努力していないとか、サボっているわけではなくて
本当に出来ないことなので、そこは理解してあげてくださいね。
次回はADHDについてです。