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ASD関連のオススメ本
ASDに関する書籍はいくつか出ていると思いますが、
独断と偏見でオススメするとしたらこの一冊です。
『自閉症は津軽弁を話さない』
松本敏治著 角川ソフィア文庫
読んだのは数年前で、図書館で借りたんだけど
そのときの僕の記憶では、松本先生は小児精神科医でした。
でもあらためてプロフを見ると大学の先生だったのね。
人の記憶って結構いい加減ですな(笑)
ちなみに松本先生は、教育学の博士で公認心理師と
臨床発達心理士でもあるので発達に関してはプロです。
で、この本。
タイトル通りの内容なのですが、
松本先生は青森(弘前大かな)にいらっしゃったとき
3歳児検診を担当された奥様(臨床発達心理士)が
「自閉症の子って津軽弁をしゃべらない」
そうおっしゃったことからこの話は始まってます。
先生は「そんなわけはない」と言ったんだけど
奥様(乳幼児健診のベテラン)は「そうだ」と言います。
他の担当者もそうだと言っていると。
しかも方言ではなく「標準語を話す」と。
そこで先生のハートに火が付くんですね。
全国の検診担当者から情報を得ることにしました。
するとやっぱり
「うちも方言を話さない」
「標準語しゃべってます」
そんな話が出てくるわけです。
結局先生は10年近くこの研究を続けました。
この本は、研究の論文みたいな要素がありますから
データがいくつも出てきます。
そこはちょっと読むのもしんどいんだけど
ちゃんとした研究結果なので信憑性は高いわけです。
そうエビデンスね。
もちろんなぜ自閉の子が方言を話さずに
標準語を話すのかについての説明もあります。
僕はそれを読んで「そういえば!」と気づきました。
そうです。
僕が出会ったASDの子たちもみんな標準語でした。
誰も三重弁しゃべらないんです。
これ、すごいポイントなのに全然気づかずにいました。
だから初めて読む人もきっと
「あー確かに!!」
そう思うと思います。
ASDの特性を理解するのに
ちょっと違う切り口の本なのですが
僕的にはオススメです。
ちなみに続編